黄粱一炊の夢記

おじさん(妻の叔父)が本を書いた。「黄粱(こうりょう)一炊の夢記」田中寛司著。自費出版で、親族・知己だけに配布されたもので書店での販売はない。興味津々で軽い気持ちで読み始めたが読み応えのある内容で、つい次々とページを捲ってしまい3時間ぐらいで一気に読み終えてしまった。私の生まれる前の出来事なのに、目の前に情景が浮かんでくるような描写が続き、物凄く面白い。内容は、戦争時に中国大陸に徴兵された2年弱の軍隊での体験記です。戦争での”生き死に”の場面は少ないですが、当時の軍隊の生活、訓練、幹部候補生試験、処世、人との巡り合い、運不運、敗戦後の中国大陸からの引き上げがドラマチックに綴られていて、昔の出来事なのに、よくこれだけのことを覚えていたものだと感心いたしました。文体は無駄な装飾句のない簡潔で男っぽいもので非常に読みやすいものでした。文才豊かな田中寛司さんの「第二弾」が待たれます。

京都人

kmQsan2007-02-06

今日の「私の履歴書」で井上礼之(ダイキン工業会長)さんが京都人をこう表現しています。<誇り高いが、案外、妥協するのも早く、謙虚な姿勢を崩さない。京都出身の友人にはそんな人が多く、今も交流を続けている。>私も京都で4年間暮らした経験もあるし、友人もいますので、なるほど、言い当てているなと思いました。

アルビン・トフラー

kmQsan2007-02-04

有名な経済学者(著書に「第三の波」などあり未来学者の称号のある)のアルビン・トフラーさんの提唱を読み、78歳とは思えない発想の斬新さに衝撃を受けました。彼は、今後の教育は”多様化”が鍵となるべきで、これだけ教養の高い人のいる日本だから、今後の義務教育のひとつに”65歳以上にコンピューター義務教育”を加えるのが日本国全体の活性化に大いに効果があると述べています。ほっとけば年金で余生を暮らすだけの高齢者に、コンピューターの知識&論理性を教えることで、日本の新しい国づくりに必ず良い影響が出てくると断言しています。子供たちの”長い義務教育”も大切ですが、トフラーさんの言う”年配者の短い義務教育”も考えても良い時期なのではないでしょうか。もう一度磨いて光らせるのも、くすんだまま放っておくのも国の政治次第だと思います。

転落防止柵

kmQsan2007-01-26

新幹線のプラットホームなどで見かける、ホームと線路の間の”柵”(列車が入ってきたら開く)が何であるのか、深く考えたことがなかったのですが、今朝のテレビ番組で教えていただきました。転落を防ぐための”転落防止柵”だったようです。全国で年間40人近い人が落下で亡くなるという事実は驚きでした。落ちた人を助けようとして列車に巻き込まれて亡くなった韓国人留学生のニュースはまだ記憶に新しいところです。全駅に取り付ければ転落事故は無くなりますが、一駅で10億円かかるらしいことを考えると、年間40人の転落事故のために転落防止柵がどこまで必要かは悩ましい問題ですね。

語源「素人&玄人」

今日の日経新聞春秋の文章です。言葉の面白さを感じました。(以下)
「素人」という言葉は「白人(しろひと)」が変化したものだという。専門的な知識や経験がない、文字通り真っ白な状態を指すのだろう。逆に「黒人(くろひと)」が語源ともされる「玄人」は、様々な知見や奥義をプロのノートに黒々と書き込んでいるはずだ。

電車通勤

昨晩、仕事で飲んで、車を会社に置いて帰った為、今朝は電車通勤。久しぶりに満員電車に乗りました。同じ運賃で座る人と立つ人の不公平、座る人が金持ちでない公平さ。いろいろと考えさせられる20分間を立って乗る。「堺東駅」で降りて徒歩で会社まで。電車を降りて歩き始めると煙草を吸う人が前を歩く。電車から降りて禁煙が解け”天下の往来だから大丈夫”と思って気持ちよく吸っているようですが後ろを歩く人は煙たくて大変。数年前まで煙草を吸っていた頃には気づかなかったことを今は反省。会社の近くで背の低い若い女性に追い抜かれる。ショック。知らぬ間に歩く速度が落ちていたようだ。電車通勤ではいろんなことを考えさせられる。

ゾウの時間 ネズミの時間

kmQsan2006-09-13

「ゾウの時間 ネズミの時間」 本川達雄著 中公新書 660円
<概要>動物のサイズ(大きさ)が違うと、動作速度(機敏さ)がかわり、寿命も異なる。大きな動物(ゾウなど)は、動作がゆっくりで、長寿。小さな動物(ネズミなど)は、動作が素早いが、短命である。
こういったことから、個々の動物が一生に消費する体重あたりの総エネルギ−量が一定であること、一生の間に心臓が鼓動する総数(ドキドキの数)が一定であること、時間の感覚が異なることなどが、易しい文章で書かれている。
<感想>生物に対する新しい視点を与えてくれる面白い本です。生物の設計思想的なものが感じられ、目からうろこが何枚も剥がれ落ちました。付録5(p224)に収録されている、”一生の歌”というのが、この本の全てを表しています。お勧めの1冊です。

ゾウさんも
ネコも ネズミも 心臓は
ドッキン ドッキン ドッキンと
20億回 打って止まる

ウグイスも
カラス トンビに ツル ダチョウ
スゥハァ スゥハァ スゥハァと
息を 三億回 吸って終わる

けものなら
みんな変わらず 一生に
1キログラムの 体重あたり
15億ジュール 消費する