黒犬のおいど

kmQsan2006-06-09


大阪人の「うまいこと言う」技術(福井栄一)
笑いの都・大阪には、相手に「うまいこと言うなぁ」と思わず感心させ、場の空気を和ませるような会話表現がある。角が立たないように、言いたいことはしっかり言う。あからさまに言えない時、窮地に陥ったときなど、ユーモア溢れる咄嗟の一言があれば、行き詰る会話に風穴を開け、人間関係を円滑にできる!オモシロ知的表現術です。
面白い本です。内容の一部をご紹介します。


黒犬のおいど
<会話例>
「去年話題になった映画の続編、さっそく見たで。あれは”黒犬のおいど”やなぁ」
<意味>面白うない(尾も白うない)「おいど」とは臀部、お尻のことです。


狐(けつね)のやいと
<会話例>
「社長、商売のほう、調子はどうですのん?」
「それがなぁ。最近では、すっかり”狐のやいと”や」
<意味>困窮(コン・灸)しています。
<類似>馬のやいと=貧窮(ヒン・灸)しています。


八月の槍
<会話例>
「ウチの子、同級生にも”八月の槍”って言われてるしなぁ」
<意味>ぼんやり(盆・槍)している


春の夕暮れ
<会話例>
「旅費のことやけど、叔父さんに頼んでみたら?」
「あかん、あかん。あの人はなあ、ふだんは太っ腹なこと言うとっても、いざとなったら、”春の夕暮れ”や」
<意味>暮れそうで暮れん(くれそうでくれん)


おでん屋のはんぺん
<会話例>
「さっき、道で玉子ちゃんに逢うたけど、口もきかんと通り過ぎて行ってしもた。なんかあったんか?」
「玉子ちゃんはいま、”おでん屋のはんぺん”なんや。なんでも、ついこないだ、友達に恋人を取られたらしいわ」
<意味>(ご機嫌斜めで)ふくれている状態


鼠六匹
<会話例>
「あの娘、なんで赤い顔してんの?」
「いますれちがったあの男の人に、どうやら”鼠六匹”らしいで」
<意味>むちゅう=夢中(六・チュー)